改善計画 Ⅱ.研究について 大学院生の指導については,毎週火曜日午前もしくは金曜日午後に卒論生も交え講座内のスタッフ全員で行う英語文献抄読会と研究報告会を行った。卒論の外部連携先として医学部形成外科の貴志和生教授の研究室に卒論学生1名が配属された。それぞれの研究テーマにおいて成果が得られ,本年度は現地での学会開催が出来るようになり、分析化学会,日本DDS学会,ライフサポート学会フロンティア講演会,薬学会関東支部大会,薬学会等の複数の学会において,すべての大学院生,6年生と一部の5年生,4年生が発表を行った。 本年度の研究活動は順調であり, 原著論文15報を国際的な学術誌に報告した。その中で、花岡教授執筆のJ Am Chem Socに掲載された論文がスポットリサーチで紹介され、研究成果を元にしたデザインが Supplementary Cover Artに選ばれた。さらに、長瀬准教授執筆のJ Mater Chem Bに掲載された論文がFront Coverに選ばれた。科学研究費などの外部資金獲得も,学術変革A (計画研究),AMED創薬基盤,AMED新興・再興感染症研究基盤,基盤B,新学術領域研究 公募研究,国際共同研究強化(B)等複数あり, 研究成果は国内外の学会で積極的に発表した。 今年度は新型コロナウイルスの影響が減り、現地での学会参加が可能になり,日本分析化学会,DDS学会,日本薬学会,など複数の学会に参加し研究成果の報告を積極的に行い,今年度の学会発表件数は67件であった。様々な学会で,本講座の研究内容が評価され,山田創太特任助教が日本ケミカルバイオロジー学会第16回年会ポスター賞,第38回日本DDS学会学術集会で優秀発表賞を受賞した。さらに、6月に開催された第29回クロマトグラフィーシンポジウムにて修士1年の松田さんがBest Presentation Award for Young Scientistsを,9月に開催された日本分析化学会第71年会で修士1年の鈴木さんが若手ポスター賞を,第71回高分子討論会で修士2年の島根さんが優秀ポスター賞を,11月に開催された第13回スクリーニング学研究会で学部4年の川手さんが委員奨励賞を受賞した。また、3月に開催された日本薬学会第143年会で、学部6年の榛葉さん、修士1年の松田さん、学部4年の杉本さんが学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞した。 さらに、長瀬准教授は,2022年度の本学薬学部・薬学研究科における学部長賞(研究部門)を受賞し、修士2年の島根さんは、2022年度KP会星野尚美記念 薬学研究・活動奨励賞を受賞した。 1,2年で履修する基礎系科目(物理化学や分析化学など)では,我々を取り巻く様々な現象を物理的,化学的に解説し,教科への興味を引き出すよう心掛けた。更に,多くの身近な現象と取り上げ,物理化学や分析への苦手意識を払拭できるよう努めたい。また,基礎系科目と専門系科目(物理薬剤学や製剤学など)との関連性について,3年生の薬剤学実習では実例を提示しながら解説し,理解度や内容の定着を図るとともに,実際に医療現場で使用されている医薬品を実験対象とすることで,実習で修得する内容の重要性を認識させることができた。1年生の早期体験学習(研究室)では,新型コロナ感染予防に気をつけながら,1グループ3名の実習とした。TA・SAを多く配し,実験方法や装置,実験器具,物質の取り扱いについて細かく指導し,気軽に実験内容や結果について質疑応答が出できるよう心掛けたが,実験結果を纏め,考察し,他者が理解できるよう発表することなどを経験させられなかった。次年度はこれを経験できるようなスケジュールを組み,実験,研究に対し興味が湧くように配慮する。卒業研究では,配属初めに各学生の希望に沿った研究テーマを設定し,それぞれの責任の下,目標創薬分析化学講座 5 創薬分析化学講座 173
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