慶應義塾大学薬学部 教育・研究年報2022
188/356

学部4年 & 6年 また、日本医科大学の高橋非常勤講師は、クロスカップリング反応、光学活性医薬品の合成およびコンビナトリアル合成などの最新の合成化学について講義した。さらに、日本医科大学の中村非常勤講師は原薬の工業生産を検討するプロセス化学の概略について講義し、医薬品開発過程におけるプロセス化学の役割、製造プロセス現場と実験室との違い、溶媒・試薬の選択および危険性の評価と対策について解説した。全て動画配信の講義とし毎回の小テストにより成績評価を行った。 医薬分子設計化学 [春学期(1.0単位・薬学科・薬科学科選択)、担当 熊谷(ユニット責任者) 天然医薬資源学講座 植草 日本医科大学 中村] 旧カリキュラムの4年次科目である「C17医薬品の開発と生産(2)リード化合物の創製と最適化」[4年春学期(0.5単位・必修)、ユニット責任者 増野]、「反応機構解析論」 [4年春学期(0.5単位・薬科学科選択)、ユニット責任者 増野]、生体分子・生理活性物質の構造解析 [4年春学期(0.5単位・薬科学科選択)、ユニット責任者 天然医薬資源学講座 成川]の1.5単位分をまとめた講義として2017年度から開始しており、卒業後に製薬企業で新薬開発の探索段階にたずさわる学生向けの講義である。具体的な講義内容は分子構造解析のアドバンスト版(植草助教、中村非常勤講師)、分子構造に関する物理化学的な考察技法、分子の反応性とコンフォメーションを決定づける軌道相互作用、反応機構における計算化学的解析手法(熊谷)とした。 薬学・薬科学英語演習 [春/秋学期(1単位・選択)、担当 熊谷 大江 堤] 薬学の研究者として、また、大学院を受験する際にも英語の能力は必須である。さらに国際化時代の薬剤師として外国文献の調査などにも英語力は必要不可欠である。本講義では、英語で書かれた実験書などを読む演習と、合成化学、生物有機化学、医薬品化学などに関連した最新の一次文献を自分で探し、読み、内容を理解し、まとめて発表することを行った。また、限られた時間で発表内容を聴衆に伝えるための効果的なプレゼンテーションの方法を考えさせ、随時フィードバックを行った。 大学院 高度研究機器特別演習 [春学期(1単位)、 担当 大江(ユニット責任者) 有機薬化学講座 花屋 天然医薬資源学講座 植草 薬剤学講座 西村 衛生化学講座 中澤 生化学講座 高橋(大) 薬学教育研究センター 森脇 生命機能物理学講座 横川 本演習は薬科学専攻修士課程の学生向けの体験型科目であり、薬学部が所有する最先端の分析機器について理解しその操作法を修得することを目的としている。本年度は、質量分析、LC-MS、NMR、フローサイトメトリー、共焦点顕微鏡を対象とした。また、コンピュータシミュレーションを使った生体高分子の相互作用解析の他、RI施設の概要やそこに設置されている機器の使用法なども修得させた。このうち分子創成化学講座は、質量分析の分析法とデータ解析についての説明・演習を担当した。 分子創成化学演習 [春/秋学期(2単位)、担当 熊谷 大江 堤] 合成化学、生物有機化学、医薬品化学に関連した最新の学術雑誌を輪読し、討論した。単に論文に書いてある内容を紹介するのではなく、実験方法から結果の解釈、考察に至る論旨などを理解し、さらに問題点を指摘できることを目的とした。また、限られた時間で発表内容を聴衆に伝えるための効果的なプレゼンテーションの方法を考えさせ、随時フィードバックを行った。 4 分子創成化学講座 184 分子創成化学講座

元のページ  ../index.html#188

このブックを見る