慶應義塾大学薬学部 教育・研究年報2022
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④ 国家試験問題データベースの構築と運用 Ⅱ.研究活動 薬学教育研究センター 9 薬学教育研究センター 221国家試験問題データベースを「薬学生のためのe-ラーニング自習システム TOPNetII」としてクラウドサーバー上で運用しており、2022年度は、第107回国家試験の問題を登録して公開した。 4.学習・教育支援システム、ツールの運用 (1) スキャネットシートの利活用 汎用のスキャナを利用して試験の採点、出席確認を行うスキャネットシートについて、使用を希望する講座に対するシートの提供を継続した。 (2) 授業用ノートPC、グループワーク用物品の運用 グループワーク等で利用するSGL用PCやその他の物品の貸出に対応した。医療系三学部合同教育関連経費で購入されたウェブカメラ、集音マイクの貸出にも対応することになった。 1.医薬品開発戦略の薬学‐経済学横断的解析(鈴木) これまで、薬学部では行われてこなかった、医薬品を商品として考えた場合の医薬品業界の特殊性と、その特殊な市場に対するマーケティング戦略を、様々な視点から解析するという新たな研究分野を開拓している。 2.基礎科目における講義方法の検討(横田) 「基礎生物学」は、生物系専門科目を履修する上で土台となる科目であり、高校で「生物」を履修しなかった学生にとっては、基礎を身につけるための科目となっている。しかし、「生物」については、暗記科目という意識が強く、苦手意識を持ったままの学生が多い。そこで「生物学」に対する興味や学ぶ意欲を引き出すため、①予習教材の提供、②数名のグループで考える演習問題、③ウェブアンケートシステムを利用した振り返りクイズの実施を導入した。予習教材には、コロナ禍で作成した講義動画を編集したものや、新規に作成した動画を使用し、部分的反転授業を実施した。授業アンケートから、「生物」に対する興味やわかりやすさを引き出すことはできたようだが、学力への影響については今後継続して検討する。 3.倫理系科目における授業の工夫と教育効果の検討(横田) 昨年度試行した質問票およびウェブアンケートシステムの導入効果について、質問数や内容、学生の感想などから解析した。寄せられた質問をもとにグループワークの振り返りを行うことで、考えの深まりを促せることができ、ウェブアンケートを導入することで、学生は自由に発言できる場であるという認識を持つようになった。1年次「生命倫理」では、6年生が自身の卒業研究テーマに関する授業の際にSAとして参加したところ、1年生はテーマに対し興味を持ちやすく、6年生はさらに理解を深めることができ、学生同士の協働学習の有用性が示唆された。 4.テキストマイニングを用いた薬学教育研究の動向解析(石川) 薬学教育研究の最新の研究動向を明らかにして研究の発展に向けて提言することを目的とし、2001年1月から2021年12月までの21年間に学術誌に投稿された薬学教育研究に関する文献を収集した。調査対象文献の文献タイトルについて、頻出語解析を行った結果、「評価」という語が最頻出であり、最も注目されていた。また、文献の内容を年代別に解析すると、研究の中心が実務実習から、教育方法の確立、学生の成長を評価

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