慶應義塾大学薬学部 教育・研究年報2022
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2022年度実務実習は、改訂コアカリに基づく実務実習4年目となり、実習施設における参加体験型実習も概ね充実してきている。コロナ禍も3年目を迎え、薬局および病院の両実習施設における臨地実習も概ねコロナ禍前に戻っている。本学オリジナルの代表的8疾患の情報共有シートおよび実務実習記録の評価シートを引き続き、本年も使用した。また、学生の卒論配属講座の新任教員に対しては実は、2023年度に本学学生が実務実習を行う全ての実習施設に送付し、本学での事前学習に関する理解を得る一助となっている。 学部4・5年 実務実習 [通年(20単位・薬学科:必修)] 科目責任者:中村 /担当:中村、鈴木、河添、地引、横山 習開始前に個別に説明を行い、実務実習での訪問指導における教員の役割、連携システムなどについて情報を伝達した。 実習前準備として、各期毎に全ての実習施設に対して社会薬学部門教員と分担して事前訪問(通常、Ⅰ期実務実習:1~2月、Ⅱ期実務実習:3~4月、III期実務実習:7~8月)を行っていたが、コロナ禍のため、施設訪問及びオンライン面談など、方法は指導薬剤師と相談して適宜柔軟に対応した。従来、事前訪問時に行っていた学生情報、実習スケジュール、緊急時連絡先などの確認に加えて、改訂コアカリに基づく実務実習に関する詳細な説明(基本的枠組み・方針、代表的8疾患や概略評価、薬局-病院-大学の連携など)、代表的8疾患の情報共有シートおよび実務実習記録の評価シートの活用を指導薬剤師に説明した。さらに、コロナ禍の実務実習に備えて、体温記録表シート(朝・夜の体温測定、呼吸器症状、倦怠感、嗅覚・味覚障害など)を作成して、学生へ記録させ、指導薬剤師へ報告させることで、新型コロナ感染症対策を実施した。 コロナ禍の実務実習期間中は、卒論配属講座教員が実習初期に施設へ電話訪問を行い、医療薬学・社会連携センター 医療薬学部門教員は社会薬学部門教員と分担して、実習中期~後期に全ての実習施設に対して訪問あるいはオンライン面談を行い、指導薬剤師および学生と面談した。改訂コアカリに基づく実習の進捗状況を把握するとともに、概略評価、代表的8疾患の情報共有シートおよび実務実習記録の評価シートを再度説明した。また、医療薬学・社会連携センター 医療薬学部門教員は社会薬学部門教員と分担して実務実習指導・管理システム(WEBシステム)を利用して、学生および指導薬剤師との連携をはかり、日誌、週報および概略評価の確認のみならず、週報の「大学教員のコメント」へ記載した。特に、オンライン面談やWEBシステムによる介入にて、指導薬剤師への負担を増加させることなく、柔軟に対応した。慶應義塾大学病院ではオンラインで6週、11週終了時に報告会が開催されたが、薬剤部指導薬剤師と連携をとりながら学内教員への参加案内および時間調整を行った。さらに実習期毎に実務実習に関わる指導薬剤師および医療薬学・社会連携センター教員による実務者会議を実施し、実習の振り返りとともに次に向けた改善を検討し、実習の向上と連携を図った。 コロナ禍のため実習終了後の大学での報告会はオンラインで行った。学生のポスター発表は2015年度に作成したルーブリック評価表に基づき卒論講座教員が評価を実施した。学生に対しては、全実習終了後に改訂コアカリの骨子である「薬剤師として求められる基本的な資質」10項目のうち、6項目(「薬剤師としての心構え」「患者・生活者本位の視点」「患者および他の医療従事者とのコミュニケーション能力」「チーム医療や地域医療連携への参画」「薬物療法における実践的能力(調剤、医薬品管理等)と(服薬指導や処方設計の提案等)の2項目」)についての自己振り返りシートを作成させた。 医療薬学・社会連携センター 医療薬学部門 3 医療薬学・社会連携センター 医療薬学部門 233

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