慶應義塾大学薬学部 教育・研究年報2022
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置づけを明確にするため、シラバス記載項目として新たに「科目概要(コースディスクリプション)」を追加した。 本年度から、未了単位取得試験は必修科目のみでの実施とし、薬学科必修科目で薬科学科選択科目のような科目でも、選択科目での実施は行わないこととした。その代わりとして、秋学期の選択・自由科目の履修者登録は成績発表後の9月に行い、最高学年の学生が秋学期に、卒業に必要な選択科目を履修しやすいスケジュールとした。また、本年度から、入学前の第2外国語科目の履修希望調査を取りやめ、他の選択科目と同様、自由に選択可能とすることにしたが、履修動向に大きな変化は見られなかった。 また、現行のカリキュラムも含め、科目の開講学年・時期や関連科目等との連携、科目からディプロマポリシーへのつながりを明示するカリキュラムツリーを作成することで、学生にカリキュラムを通じて目指すべき目標を分かりやすく提示したい。 利便性と効率性を高めるため、教育活動のデジタル化は着実に進めていくが、デジタル化に伴う課題の解決も図っていく必要がある。具体的には、授業評価アンケート(授業を改善するための調査)のオンラインでの実施を継続するが、対面授業の最終回でアンケートの実施時間を設け、回答率の向上を図る予定である。また、卒業研究配属資料は冊子媒体からWeb公開資料に変更し、卒業研究発表要旨や卒業論文などの電子化も進める計画である。 4.改善計画 カリキュラム委員会 3 カリキュラム委員会 2732022年度末の段階でCOVID-19は収束していないが、2023年5月には、感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ5類感染症に変更され、慶應義塾でもCOVID-19に特化した一律の感染症対策を終了することになっている。ここまで蓄積してきたオンライン授業の経験を活かしつつ、パンデミック後を見据え、2023年度は海外派遣プログラムも含めた本来の教育活動をほぼ完全な形で取り戻す予定である。また、2024(令和6)年度の入学生から適用される薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)が2023年2月28日に公表され、2023年度は新たなカリキュラムと学則の改訂を行う必要がある。この機会に、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーや、4学期制も含めた現行カリキュラムについて改めて評価し、必要な見直しを行うことで、慶應義塾大学薬学部の学生がその能力をより開花できる教育プログラムの構築に努めたい。

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