2年生の実習は、コロナ感染症の蔓延に伴い大幅に変更された過年度の変更点・改良点・反省点に基づき、前年度４分割で実験種目を減らしていたのを、元の２分割に戻し、その一方でハイブリッド形式を最大限に活用した。担当実習幾期間中、2年生、教職員、TAなど実習補助者同士のコロナウィルス感染拡大を防ぐことができ、関係教職員の一方ならぬ努力のおかげで、大きな成功を収めた。オンサイ改善計画 Ⅰ．教育について 受験者や答案が多くみられた。オンライン、特にオンデマンド配信型の講義は、本質的な理解に向けた勉強努力に必ずしも寄与しない、という傾向が明らかになった。次年度は定期試験を、旧年度のオンサイト・持ち込み資料参照不可に戻し、講義演習もそれに対応する予定である。 ト実験で実施した実験内容も、コアカリキュラム充足を十分に尊重した。次年度以降完全にノーマルな状況にもどった際にも適用可能な、良い情報を得ることができた。 Ⅱ．研究について 学生は、研究遂行に伴うストレスは避けて通れず、これがしばしば負担になる。大学院学生（特に修士）にとっては、長期にわたる就職活動の影響もあり、課題研究・実験の活力が低下すると「自壊型の落ち込み」により、複数月以上の実質的「休業」に陥らざるを得ないケースが散見されている。それらのケースに対し1) 講座内複数教員による定期的面談；2) 学生相談室との連携；3) 保証人との情報共有・意見交換を早い段階から実施する。また、あらゆる学生・院生に対し、課題研究や演習に求められることを、履修・進捗状況に応じ、定期的に通告しておくことが必要と考えられ、2022年度はさらに積極的にアプローチする。 研究業績 原著論文（英文） 1. Deguchi, H, Hanaya, K, Sugai, T, Higashibayashi, S. Intramolecular cyclization of m-homoprenylphenols 2022年度は、コロナウィルス感染が下火になったことに伴い、以前のプログラム、タイムスケジュールに戻ってきた。オンライン講義に関する教員・学生のスキル向上を活用し、ハイブリッド形式の講義の有用性を高めた。一年生の秋学期、有機化学2ではオンサイトの学期末試験を復活させたが、事前許可した持ち込み資料を参照可、としたところ、「索引作成に多くの努力と時間を費やす」タイプのthrough oxidative nucleophilic aromatic substitution. Chem. Commun., 59, 748-751 (2023). 2. Yasutomi, H, Takeda, D, Yoritate, M. Higashibayashi, S. Sugai, T, Hirai, G. Transition-metal-free β-selective C-glycosylation of β-glycosyl boronate via stereoretentive 1,2-migration. Synlet., 34, 347-352 (2023). 3. Harada, K, Hasegawa, C, Matsumoto, T, Sugishita, H, Kitamura, C, Higashibayashi, S, Hasegawa, M, Suzuki, S, Kato, S. A double-helical S, C-bridged tetraphenyl-para-phenylenediamine and its persistent radical cation. Chem. Commun., 59, 1301-1304 (2023). 4. Kurahayashi, K, Hanaya, K, Sugai, T, Higashibayashi, S. Cu-catalyzed stereoselective borylation and Pd-catalyzed stereospecific cross-coupling to give aryl C-glycosides. Chem. Eur. J., 28, e202203376 (2022). 5. Hanaya, K, Yamoto, K, Taguchi, K, Matsumoto, K, Higashibayashi, S, Sugai, T. Single-step N-terminal modification of proteins via a bio-inspired copper(II)-mediated aldol reaction. Chem. Eur. J., 28, e202201677 8 有機薬化学講座 32 有機薬化学講座
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