Ⅰ.最先端リピドミクス解析基盤の構築と適用 研究概要 大学院特別講義I [通年(1単位・後期博士課程 薬科学専攻 必修)] 有田 学内,学外の研究者による講義を行い,研究に対する広い視野とマインドを得ることを目標とした。 系統的な講義の枠を離れ,最先端の魅力的な研究に接することで研究者としての柔軟性と応用性を養うようにした。オンサイト講義と Zoom 配信のハイブリッド形式にて講義を行った。 大学院特別講義III [通年(1単位・博士課程 薬学専攻 必修)] 有田 学内,学外の研究者による講義を行い,研究に対する広い視野とマインドを得ることを目標とした。系統的な講義の枠を離れ,最先端の魅力的な研究に接することで研究者としての柔軟性と応用性を養うようにした。オンサイト講義と Zoom 配信のハイブリッド形式にて講義を行った。 免疫代謝学特論 [通年(1単位・修士課程 必修)] 有田,前川 有田は脂肪酸代謝と炎症の制御について、前川は獲得免疫と自然免疫における細胞内膜輸送の重要性について、最新の研究成果とともに概説した。 生命薬学特論 [通年(1単位・博士課程 薬学専攻 必修)] 有田 病態の背後に潜む脂質メタボリズムについて、最新の研究成果とともに概説した。 代謝生理化学講座は、脂質を中心とした生命科学研究を展開している。脂質は生命の基本単位である細胞を区画する膜を構成し,エネルギー源,シグナル分子など多彩な役割を担う生体分子である。脂質代謝異常が多くの疾患の背景因子であり、また多様な脂質分子の中には多くの生理活性物質が存在することから、新たな創薬シーズの発見や、早期診断・治療などの医学応用につながる可能性がある。一方で脂質の構造多様性は実に10万種類を超えると言われている。我々は生命の脂質多様性を網羅的に捉えるために最先端のリピドミクス解析システムを独自に開発し、生体内で脂質多様性やその局在を創り出し、調節・認識するしくみの解明、およびその破綻による疾患解明を目指している。 脂質はその特性として、単独の分子が生理活性を有するものと、分子集合体として「場」の制御に関わるものがあり、さらにその分子種や修飾の多様性から未知の機能が発見される可能性が高い。脂質代謝の変化がもたらす様々な表現型について、そのメカニズムを明らかにする上で欠かせないのが、脂質の構造多様性をより広範囲に捉え、かつ明確に識別することができる最先端のリピドミクス解析技術である。すなわち、特定の分子種を選択的かつ定量的に計測するターゲット解析に加え、分子種を特定しないノンターゲット解析を組み合わせることで、探索範囲の飛躍的な拡大および解析データの質の向上が得られる。我々は、ヒトおよびマウスの臓器・組織・細胞、腸内細菌叢などの脂質成分を網代謝生理化学講座 3 代謝生理化学講座 67
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