慶應義塾大学薬学部 教育・研究年報2022
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教 授:服部 豊 担当授業概要 免疫学2 [秋学期後半(1単位・8コマ必修)] 松下麻衣子(4コマ、ユニット責任者)、市川大樹(2コマ) 近年の医療の中で、免疫抑制剤や抗体製剤、ワクチンなど、免疫応答を用いた治療法は不可欠なものである。また、免疫系に異常を来すと、アレルギーや自己免疫疾患、炎症性疾患などを来す。免疫系が関与する疾患や治療法について理解することは大変重要であり、本科目ではこれら臨床免疫に関する基礎知識を修得することを目標としている。 本年度は、感染症における免疫反応機構、免疫不全、臓器移植における免疫反応、自己免疫疾患などについて、それぞれの免疫病態と臨床像について解説した。また、抗体を用いた検査や治療についても将来の創薬につながる最新の研究成果を交えながら解説した。加えて、炎症性腸疾患について、外部講師による特別講義を行った。対面講義6回、web配信2回を行った。 薬物治療学1 [春学期(1単位・8コマ必修)] 服部 豊(3コマ、ユニット責任者)、市川大樹(3コマ) 患者の病態を理解するための基本は、医療面接、身体所見、臨床検査から得られる情報を、総合的に判断することである。医療面接では、適切な情報収集を通じて患者のトリアージおよび治療法の選択ができるように症候学の講義を行った。これには、講師自身が内科診断学をベースに薬学部生向けに作成した独自のテキストを使用した。また、臨床検査情報は、客観性が高いことより、現代医療では欠くことのできないものとなっている。臨床検査は、生理検査、画像診断および検体検査より構成されるが、本講義では、疾患の臨床経過の観察や薬物療法の効果判定、および副作用検出にしばしば用いられている検体検査を中心に理解することを目標としている。 臨床検査値を理解するためには、生化学、生理学等の基礎薬学科目をもとにした健常人の代謝と、医療薬学関連科目で学習する疾病での異常な代謝を合わせて考える必要がある。このため、本科目では基礎薬学と医療薬学の基本を復習しながら検査値が変化する理由を解説した。主な講義項目は、基準値、一般検査、血液・凝固線溶系、腎機能、血清蛋白質、糖・脂質代謝、電解質、酸塩基平衡、臨床酵素、肝機能、内分泌、免疫血清、腫瘍マーカー検査であり、講義終了時には、総合演習として症例検討も行った。本年度は、新型コロナ禍により、web配信を含めたハイブリッド講義として行った。 学部2年 学部3年 病態生理学講座 病態生理学講座 1 病態生理学講座 79准 教 授:松下 麻衣子 助 教:市川 大樹

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