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補助事業名称 文部科学省 戦略的研究基盤形成支援事業
研究プロジェクト名 国民の健康の増進を目指した生物資源の活用基盤研究拠点の形成
研究代表者 教授:木内 文之
研究期間 平成23~27年度
プロジェクト
参加研究者数
20名

研究概要

生物資源は、医薬品そのもの或は医薬品開発の出発物質を提供することにより、人々の健康に大きく貢献してきた。また、近年天然資源を生薬として用いる漢方への期待が高まっており、セルフメディケーションの推進の観点からは、生薬・ハーブやその抽出物のOTCとしての利用の促進が望まれるが、これらを活用するためには、いかに科学的根拠を確立して有効性と安全性を担保することができるかが課題である。本プロジェクトは、医薬品に関連する幅広い研究領域の研究者が先端的研究活動を行っている薬学研究科の特色を活かし、有機合成化学・天然物化学を基盤とした天然素材開発、がん、免疫機能、認知症等の脳機能等高齢化社会で問題となる疾患に有効な薬物の活性評価系の構築とスクリーニング、そして病態メカニズム解明によるエビデンスの創出の3グループが連携することにより、天然資源を人の健康に有効に活用するための基盤研究を推進するための研究拠点を形成しようとするものである。
本研究では、薬学研究科に所属し、天然物化学、有機合成化学、生化学、薬理学、病態生理学、薬物動態学、医薬品情報学などの幅広い領域で研究実績を持つ優れた研究者を中心とした研究チームを組織し、専門領域間の緊密な研究協力体制を構築して、生物資源の活用を目指した効率的な研究拠点の形成を図る。また、医学研究科(河上裕教授(がん免疫)、渡辺賢治准教授(漢方医学))と理工学研究科(井本正哉教授(天然物化学)、戸嶋一敦教授(有機合成化学))からもアドバイザリーボードとしての参加を得て、より幅広い観点から研究の方向性を検討する場を設けるとともに、慶應義塾大学内の様々な研究リソースを必要に応じて利用できる体制を整備する。
平成23~27年度の5年間に(1)天然素材の生物活性スクリーニングと活性化合物の単離・同定並びに既に単離されている天然物の活性スクリーニング、(2)(1)で絞り込まれた化合物並びに既に活性が報告されている化合物の作用メカニズムの解明、並びに(3)その体内動態の解明を順次行う。また、これと並行して(4)希少生物活性天然物の合成ルート開発並びに作用メカニズムに基づいた新規化合物の設計と合成を行い、合成した化合物の活性評価並びに作用メカニズムの解明((2)、(3))を順次行う。なお、素材開発グループは、研究に必要な天然材料の供給を研究期間を通して行う。研究設備として(1)~(3)の研究に繁用されるLC/MS/MS装置を初年度に整備し、研究期間を通して活用する。また、主に(2)で用いる分子間相互作用測定装置を2年目に整備し、以後の研究の進展を図る。

プロジェクトに参加する主な研究者

<グループA:素材開発グループ>

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研究者名 職名 プロジェクトでの研究課題 プロジェクトでの役割
増野 匡彦 教授 天然物や生体内成分の構造改変による新規抗酸化剤の創製 天然物や生体内成分の構造改変による新規抗酸化剤の創製
大江 知之 准教授 同上 同上
須貝 威 教授 生物活性を有する希少天然有機化合物の合成 天然物および誘導体の合成手法の開発と化合物の提供
庄司 満 准教授 同上 同上
木内 文之 教授 生物活性成分の解析並びに天然糖鎖の合成と機能解析 天然物試料の提供,生物活性成分の解析並びに天然糖鎖の合成とそのタンパク質との相互作用の解析
羽田 紀康 准教授 同上 同上

<グループB:活性評価グループ>

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研究者名 職名 プロジェクトでの研究課題 プロジェクトでの役割
服部 豊 教授 生物資源・天然物の生物学的活性の評価 抗腫瘍,抗骨破壊,腫瘍免疫賦活効果等を評価
三澤 日出巳 教授 新たな作用点をもつ認知症治療薬の天然物からの探索 認知症治療薬の新たなスクリーニング系の確立と活性化合物の探索
奥田 隆志 准教授 同上 同上
中澤 洋介 助教 白内障発症予防薬および進行遅延薬の探索 白内障発症予防および進行遅延物質の探索
金澤 秀子 助教 生物資源由来のアンチエイジング(抗加齢)機能成分に関する研究 生物資源由来成分の迅速分析法の開発と老化予防機能を中心とした活性評価

<グループC:エビデンス創出グループ>

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研究者名 職名 プロジェクトでの研究課題 プロジェクトでの役割
長谷 耕二 教授 心血管病リスクファクターとしてのホモシステイン血中濃度上昇の分子的基盤の構築 ホモシステイン蓄積による病態の解明
石井 功 准教授 同上 同上
田村 悦臣 教授 食品成分によるステロイド代謝酵素発現の調節と生理機能の解明 生物資源としての食品成分の新たな生理機能を解明
杉本 芳一 教授 トランスポーターによる,エストロゲン様作用物質等の生体内輸送機構の解明 エストロゲン様作用を持つ天然物等の生体内輸送機構並びにこれに関与するトランスポーターの解析
野口 耕司 准教授 同上 同上
中島 恵美 教授 生理活性天然物の胎盤透過性・代謝活性評価とその分子メカニズムの解明 天然物の胎盤代謝活性・胎児移行性に関わる分子機構の解明
登美 斉俊 准教授 同上 同上
望月 眞弓 教授 Herbal Medicineの一般用医薬品としての承認に必要なエビデンスの創出に関する研究 日本においてHerbal MedicineをDirect OTCとして承認する際のエビデンスの創出
橋口 正行 准教授 同上 同上

公開シンポジウム

成果報告会

日時:
平成27年9月2日(水)13:30~
場所:
慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 1号館地下 マルチメディア講堂

中間報告会

日時:
平成26年3月5日(水)13:30~17:30
場所:
慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 1号館地下 マルチメディア講堂

キックオフミーティング

日時:
平成24年2月28日(火)13:30~17:30
場所:
慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 1号館地下 マルチメディア講堂

成果報告書