Keio University Faculty of Pharmacy 慶應義塾大学 薬学部・薬学研究科

情報の窓(学内向)English

お問い合わせサイトマップアクセス

Menu
ホーム 概要
教育 研究
教員 キャンパス
お問い合わせ サイトマップ
情報の窓(学内向) English

HOME > 研究 > 研究推進プロジェクト > 共同研究事業 > 学術フロンティア共同研究推進センター

研究Research

学術フロンティア共同研究推進センター

研究組織名

慶應義塾大学薬学部 学術フロンティア共同研究推進センター

研究プロジェクト名

生体のストレス応答の分子機構の解明に基づいた難治性疾患に対する新しい治療法の開発

研究代表者

教授:杉本芳一

研究期間

平成17~21年度

研究計画の概要

研究の背景となる研究領域の進展状況等

現在、高齢化社会の進展と共に、がん・神経疾患・心疾患・アレルギー性疾患などの加齢に伴って増大する疾患の予防法・診断法・治療法の開発は、国民の健やかで快適な生活を維持するために非常に重要であり、国家的な急務といえる。
本研究の課題となるストレス応答は、生体が種々の外部刺激から自己を守る生体防御機構としてとらえられてきたが、近年になって、ストレス応答機構の破綻により多くの疾病が引き起こされることが明らかになってきた。また、神経疾患やアレルギー性疾患のようにストレス応答そのものが疾病の原因となることも示されてきた。こうした疾患は生体におけるストレス刺激の蓄積によって引き起こされるものであり、多くは加齢に伴って増大する。また、がん治療においてはがん細胞のストレス応答は薬剤の反応性に直結しており、がん薬物治療の有効性を左右する重要な因子となる。
本学は従来より酸化ストレスと抗酸化剤の研究、炎症とアレルギーによって引き起こされる疾患とその治療法の研究、微生物・ウイルス・がんに対する有効な治療法の開発研究などにおいて、多くの成果を上げてきた。本プロジェクトはこうした研究を薬学医学共同研究として研究者間の緊密な連携のもとに発展させる目的で構築された。本プロジェクトにおいては酸化ストレス、炎症、アレルギー、がんなどにおける生体のストレス応答機構を解析し、またストレスの減弱あるいはストレス応答の修飾の効果を持つ新規薬剤を開発する。これにより、がん・神経疾患・心疾患・アレルギー性疾患などの加齢に伴って増大する疾患の予防法・診断法・治療法の開発に貢献できると考えられる。

研究内容

がん細胞は低酸素、低グルコース、増殖因子・ホルモン欠乏状態、抗がん剤などのストレス要因に対して適応すべく、種々のストレス応答を行っている。特に抗がん剤に対するがん細胞の生存適応はそのまま抗がん剤耐性のメカニズムとなり、がんに対する薬物治療の有効性を決定する重要な因子となる。また、アポトーシスはDNA傷害などをおこした細胞を除去するシステムであるが、がん細胞はこのアポトーシス機構から逃れることにより、増殖しまた転移することが知られている。このため本研究のうち第1グループと第2グループは、がん細胞のストレス応答としての抗がん剤耐性とアポトーシスに焦点をあてて研究を行う。
酸化ストレスは、がんや白血病などの悪性腫瘍、神経変性疾患や虚血性脳疾患などの神経疾患、虚血性心疾患、糖尿病、白内障などの重篤な病気を引き起こす。第3グループから第5グループは、酸化ストレスを中心に研究を行う。対象となる疾患は、様々であるが、それぞれのグループが特色あるスクリーニング系を持ち、化合物の活性評価をする。本研究においてはそれぞれのグループで開発された化合物を他のグループのスクリーニング系においても同時に評価することで研究の効率を飛躍的に向上させることができる。これらの5グループの研究の統合により、生体のストレス応答の分子機構の解明に基づいたがん・神経疾患・心疾患・アレルギー性疾患などの難治性疾患に対する新しい治療法が開発されると期待される。

期待される研究成果

研究は、近年わが国で増大しつつあるがん・神経疾患・心疾患・アレルギー性疾患などの加齢に伴って増大する疾患の予防法・診断法・治療法の開発を目指すものであり、国民の健やかで快適な生活を維持するために非常に重要であり、国家的な急務といえる。
がんの薬物治療においては、がん細胞が抗がん剤に耐性化することがその治療効果を減弱させる最大の要因となっている。本研究では、薬物排出トランスポーター、薬物解毒酵素、アポトーシスなどを標的として、抗がん剤耐性の機構を解析し、耐性克服薬剤を開発する。これにより従来抗がん剤があまり有効性を示さなかった耐性がんに対する新しい治療法が開発されると期待される。また、多発性骨髄腫に対する診断法の確立と抗がん剤抵抗性のメカニズムの解析は、多発性骨髄腫の診断と治療の向上に貢献すると考える。
酸化ストレスは、がんや白血病などの悪性腫瘍、神経変性疾患や虚血性脳疾患などの神経疾患、虚血性心疾患、糖尿病、白内障などの重篤な病気の原因となることが知られている。酸化ストレスに対する生体の応答機構の解明は、学術上非常に重要であると同時に、これら酸化ストレスが引き起こす疾患の発症メカニズムの解析につながり、新しい治療法の構築の可能性を提供する。また、本研究で開発される、酸化ストレスの生体に対する影響を減弱させる新規化学物質は、将来の治療薬開発のためのシードとなると期待される。

プロジェクトに参加する主な研究者

第1グループ:がん細胞のストレス応答機構および薬物排出機構を標的としたがん化学療法の開発

研究者名

職名

研究概要

杉本芳一

本学薬学部・化学療法学講座・教授

がん細胞のストレス応答機構および薬物排出機構を標的としたがん化学療法の開発を目的とし、特に生体のホルモンバランスの変化に対する薬物排出トランスポーターの発現の変動について解析する。この知見をもとにトランスポーターの遺伝子導入細胞を用いてトランスポーターの発現を低下させる物質およびトランスポーターの活性を阻害する物質をスクリーニングし、その有効性を種々の抗がん剤耐性細胞および耐性がん細胞移植マウスモデルにて検証する。

野口耕司

本学薬学部・化学療法学講座・准教授

相羽恵介

東京慈恵会医科大学内科学講座・腫瘍・血液内科・教授

第2グループ: GST-Pとアポトーシスの関与する抗がん剤耐性の機構の解明

研究者名

職名

研究概要

笠原 忠

本学薬学部・生化学講座・教授

ペプチド修飾ドキソルビシンがGST-P1の活性と発現を抑制し、JNKを介したアポトーシスを誘導することを見い出している。GST-Pはグルタチオンによる抗がん剤の解毒に関与し、抗がん剤耐性の原因となる。本研究では、ペプチド修飾ドキソルビシンによるGST-P1発現抑制のメカニズムを解明し、さらにGST-P1発現阻害剤をスクリーニングする。また、GST-P1変異体を遺伝子導入したがん細胞を作製し、GST-P1変異体のin vivoでの抗癌作用を解明する。

園田よし子

本学薬学部・生化学講座・教授

大川 清

東京慈恵会医科大学・生化学第一講座・教授

朝倉 正

東京慈恵会医科大学・生化学第一講座・講師

第3グループ(2) 2008年4月から:難治性造血器腫瘍に対するサリドマイド骨格を有する新規治療薬の開発

研究者名

職名

研究概要

服部豊

本学薬学部・病態生理学講座・教授

致死性疾患である多発性骨髄腫に対してサリドマイドが著効を示すことがわかったが、さらに強い抗骨髄腫作用を有しかつ安全性の高い同薬誘導体の開発を目指す。約30種の化合物を合成し、骨髄腫細胞株に対する増殖抑制を指標にスクリーニングを行う。有望なものについては、in vitroにおいて細胞内シグナル伝達抑制やアポトーシス誘導を検索した後、骨髄腫担癌SCIDマウスを用いてin vivoで抗腫瘍効果、抗腫瘍血管新生作用を評価する。

飯島史朗

本学薬学部・病態生理学講座・講師

柳川弘志

本学理工学部・生命システム情報・教授

第3グループ(1) 2008年3月まで:多発性骨髄腫における抗がん剤抵抗性の解析。多発性骨髄腫の診断法と治療法の開発

研究者名

職名

研究概要

西川隆
(2007年3月まで)

本学薬学部・生体分析化学講座・教授

多発性骨髄腫における抗がん剤抵抗性のメカニズムについて検討する。また、多発性骨髄腫の診断法の開発を目的とし、単クローン性M蛋白血症(MGUS)で検出されるM蛋白と多発性骨髄腫で検出されるM蛋白の糖鎖構造とを比較検討する。糖鎖構造の違いをもとに鑑別診断法を確立する。また、MGUSにおけるM蛋白の出現の意義について検討し、多発性骨髄腫の鑑別および予後予測を容易とする。

飯島史朗

本学薬学部・病態生理学講座・講師

薄井紀子
(2008年3月まで)

東京慈恵会医科大学内科学講座・腫瘍・血液内科・准教授

第4グループ(2) 2008年4月から: 多価フェノール性部分構造を分子内に持ち、抗酸化活性が期待される化合物の合成研究とその化合物の抗酸化作用に基づいたDNA障害抑制効果の検定に関する研究

研究者名

職名

研究概要

須貝威

本学薬学部・有機薬化学講座・教授

新規抗酸化剤の有効性を生物学的に検証し、酸化ストレスによるDNA損傷の防御に基づき、抗酸化剤の新規薬剤としての開発に貢献する。多価フェノール性部分構造を分子内に持つ化合物を化学-酵素複合合成し、抗酸化作用を検定するとともに、これらの化合物がDNA障害作用を抑制する可能性を細胞系にて検定する。

柳澤裕之

東京慈恵会医科大学・環境保健医学講座・教授

第4グループ(1) 2008年3月まで:抗酸化性ビタミン新規類縁体の合成とDNA障害性物質の作用発現に及ぼす効果

研究者名

職名

研究概要

望月正隆
(2008年3月まで)

本学薬学部・有機薬化学講座・教授

ビタミンEおよびビタミンCの新規類縁体を合成し、抗酸化作用を検定するとともに、これらの化合物がDNA障害作用を抑制する可能性を細胞系にて検定する。抗炎症薬の多くには抗酸化作用をもつ化合物があり、また、抗酸化剤には未だ知られていない作用をもつことが期待される。そこで抗酸化作用に基づいたDNA傷害作用の抑制効果を細胞系で検討することは、抗酸化剤の新規薬剤としての発展に大きく寄与できると考える。

清水英佑
(2008年3月まで)

東京慈恵会医科大学・環境保健医学講座・教授

第5グループ: 細胞外ストレスによって誘発される神経変性疾患や炎症性疾患の生化学的病態モデルの確立と新規治療薬の開発共

研究者名

職名

研究概要

鈴木岳之

本学薬学部・基礎生物学講座・准教授

酸化的ストレスによって細胞障害が引き起こされるメカニズムを解析し、また、ストレス誘発性機能異常に対する治療薬物の検索を行う。興奮性伝達物質受容体を変異させた細胞系およびモデル動物を用いて、in vitroおよびin vivo病態モデル系を作成する。タンパクの発現様式やその機能解析といった生化学的研究を行う。培養細胞、あるいはスライスを用いたパッチクランプ法を用いた生理学的研究を行う。また、これらのシステムで種々の化合物の生物活性を検討する。

加藤総夫

東京慈恵会医科大学・総合医科学研究センター・神経科学研究部・教授

第6グループ:アレルギー性疾患の治療を目的とした新規抗酸化剤の開発

研究者名

職名

研究概要

増野匡彦

本学薬学部・医薬品化学講座・教授

従来の抗酸化剤とは骨格から異なるものとしてフラーレン類、β-ジケトン型、ピリドイン型抗酸化物質の開発を行い、その抗酸化活性を検証すると共に、化合物のアレルギー応答への効果をアトピー性皮膚炎モデルマウス及びアレルゲン投与マウスを用いたアレルギー応答解析系を用いて明らかにし、抗アレルギー薬リード化合物としての可能性を検討する。

中村成夫

本学薬学部・医薬品化学講座・准教授

渡辺直煕

東京慈恵会医科大学・熱帯医学講座・教授

第7グループ:ビタミンEやポリフェノール等の抗酸化物質の新たな生体機能の解明

研究者名

職名

研究概要

金澤秀子

本学薬学部・創薬物理化学講座・教授

機能性高分子を用いて生体分子との相互作用を解析する新しいシステムを構築し、機能性食品の作用発現機構の解析に応用する。生体内在性ラジカルと抗酸化物質であるビタミンEとの反応性を解析するモデルシステムを構築し、酸化ストレスによる組織傷害機構解明と抗酸化物質の生体機能解析する。

伊藤佳子

本学薬学部・創薬物理化学講座・講師

岡野光夫

東京女子医科大学・先端生命医学研究所・所長・教授

菊地明彦
(2008年3月まで)

東京女子医科大学・先端生命医学研究所・准教授

公開シンポジウム

キックオフミーティング

日時:平成18年3月17日(金)14:00~19:00
場所:慶應義塾芝共立キャンパス1号館地下1階 マルチメディア講堂

中間報告会

日時:平成19年9月7日(金)15:00~18:00
場所:慶應義塾芝共立キャンパス1号館地下1階 マルチメディア講堂

このページのトップへ