創薬や生命科学の研究者等を養成

  • 21世紀になり、医療をとりまく環境は大きく変わりました。ゲノム創薬、個別化医療、再生医療など最新の医療を推進し国民の健康に寄与するためには、グローバルに情報を収集する能力、先端医療に対する高度な知識と専門性をもった人材の育成が必要です。
  • 医薬品創製産業は、わが国の基幹産業であり、日本の創薬力向上の担い手として薬系大学院修了生の活躍が期待されています。薬学研究科薬科学専攻では、薬学の多様性を活かし優れた創薬研究者を養成します。

薬科学専攻のカリキュラム

薬学研究の基盤となるライフサイエンス科目を体系的に学び、さらに最先端科学の進歩に触れる充実した内容のカリキュラムです。

ポイント1 統合型のカリキュラム編成

〈修士課程〉

本課程では、修了に必要な単位数は30となっています。大学院特別講義A、Bの各1単位、研究臨床体験プログラムの1単位、演習4単位、課題研究16単位の計23単位が必修です。大学院特別講義では、外部から著名な講師をお招きして、最先端の研究に触れるまたとない機会を提供します。知的好奇心をそそられる魅力的な内容満載の講義シリーズであり、例年インタラクティブな質疑応答が繰り広げられます。
その他、学生それぞれの適性や必要性に合わせて、講義科目や研修を履修します。

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科目名 必修・選択 単位数
大学院特別講義A、B 必修 計2
研究臨床体験プログラム 必修 1
演習 必修 4
課題研究 必修 16
講義科目(名称は科目により異なります) 選択 各1
演習科目(名称は科目により異なります) 選択 各1
海外レギュラトリーサイエンス特別研修 選択 1

これら所定の単位を修得した後、学位論文審査および最終試験に合格することで、修士(薬科学)の学位を得ることができます。

〈後期博士課程〉

本課程では、修了に必要な単位数は16となっています。必修科目は、大学院特別講義I、II、演習、課題研究で、計16単位です。論文指導を中心に、充実した研究指導体制を整えています。

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科目名 必修・自由 単位数
大学院特別講義I、II 必修 計2
演習 必修 4
課題研究 必修 12
講義、研修科目 自由 各1~2

これら所定の単位を修得した後、学位論文審査および最終試験に合格することで、博士(薬科学)の学位を得ることができます。

ポイント2 全ての学生を対象に研究の基盤となる技能を習得する特別演習

製薬企業はもとより、食品、化学、化粧品などの広範な分野で活躍する人材育成のため広範な進路に合わせ分野に偏ることなく研究に必要な基本技術を学ぶことができます。

高度研究機器特別演習

創薬研究に欠かすことのできないGC-MS, LC-MS/MS, NMR, ESRなど最先端の分析機器について理解し、その操作法を習得します。さらにRI施設の概要と放射性物質の取り扱い方を身に付けます。ITを使った効果的な情報収集について、さらにコンピュータを使った分子間相互作用解析法について学びます。

機器操作イメージ
機器操作イメージ
機器操作イメージ
機器操作イメージ

ポイント3 医学研究科と連携した創薬研究者プログラム

薬学研究科は医学研究科と共に新しい教育プログラムにより、修士課程の人材養成の高度化に取り組んできました。2008年度に「創薬に向けた医薬科学を先導する人材の養成」が文部科学省の「大学院教育改革支援プログラム」(大学院GP)に採択され、それ以来医学研究科との密接な教育連携が行われています。医学研究科の教員や学生との交流を通して、幅広い視点を持つ人材の養成を目指しています。

  • 医学研究科ラボツアー
    信濃町キャンパスにおいて、高度専門的医学研究を実体験し、最先端医科学研究における問題やその解決法などについて学びます。各学生は、希望する研究室を選び、ラボツアーに参加します。ラボツアーに参加することにより、医薬間の活発な交流が促進されるとともに、各人の研究に対する視野が広がり、モチベーションが高まります。
  • 臨床体験
    大学病院での臨床の実際を体験し、将来の自らの専門性に生かすことを目的としています。慶應義塾大学病院の臨床各科の医師と行動をともにし、診療の現場を体験します。自らの研究が医療にどう繋がっていくのかを理解し、薬科学研究の成果が臨床を通じて社会へ還元されることを認識することができます。
  • サマースクール
    研究の進め方や、将来のキャリアを考える上で参考になるプログラムです。研究者の資質や研究の進め方などについての講義、博士課程に進学した先輩の体験談、知的財産管理や倫理に関する講義など、多岐に及びます。

薬学研究科(薬科学専攻)修士-博士4年一貫コースについて

薬学研究科薬科学専攻では、2021年度から、最短4年間で修士(薬科学)・博士(薬科学)の2つの学位を取得可能な「修士-博士一貫コース」を開始します。本コースでは、審査基準を満たす優れた薬科学科の学生について、修士課程(2年制)の在学期間を1年短縮して修士(薬科学)を取得後、後期博士課程(3年制)に進学することを認めます。そのため、学部入学から8年間で博士学位を取得することが可能になります。本制度により、薬科学分野において創造的研究を推進し、未来を先導できる、高度人材育成のさらなる推進を目指しています。

本学薬学部からの進学者数推移

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入学年度 2017 2018 2019 2020 2021
人数(修士) 36 47 43 48 44
人数(後期博士) 3 2 3 11 6