慶應義塾大学薬学・薬学研究科は、単科の薬科大学として長年にわたり教育・研究を続けてきた共立薬科大学との合併によって、2008年に誕生しました。
伝統と革新が融合した慶應薬学の歴史を、共立薬科大学時代から紹介します。

1930

共立薬科大学の前身、共立女子薬学専門学校設立

創立者は小島昇。資金面では、牧野元次郎顧問(当時の不動貯金銀行創業者)の絶大な支援があった。

当時の校舎
牧野 元顧問筆「温厚和平」
現在、1号館1階に設置されている。また牧野 元顧問の胸像は3号館1階で学生達を見守っている。

1949

学制改革により、共立薬科大学(女子のみ)として発足

当時から大学名に「女子」は入っていなかった。

生薬実習風景(1949年)
建設中の東京タワーと学生
(1957~1958年頃)

1966

埼玉県浦和市上野田に浦和分校開設
(現在の浦和共立キャンパス)。

薬用植物園や運動場等の施設を設置。

開設当初の薬用植物園

1986

共立薬科大学大学院開設

大学院は開設当初から男女共学であった。

当時のキャンパス風景

1996

学部の男女共学スタート

41名の男子学生が入学。

入学式時のガイダンス風景(1996年)

2001

大学附属の保険調剤薬局を開局

薬学部キャンパス内にある薬学部附属薬局は日本初。

薬局外観
薬局内観

2006

薬剤師教育6年制の実施にともない、
薬学科(6年制)、薬科学科(4年制)スタート

医療連携の社会的なニーズが高まる中での教育制度改革であった。

カリキュラム改訂によって取り入れられたSGL
(スモールグループラーニング)

2008

慶應義塾大学と共立薬科大学、合併
慶應義塾大学薬学部・薬学研究科開設

2011

医療系三学部合同教育スタート

医学部・看護医療学部・薬学部の3つの学部が連携した合同教育が始まる。

2015

創薬研究センター開設

薬学部・薬学研究科の持つ機能を結集し、慶應義塾内外と連携することで、より高度な研究を可能に。

2016

4学期制の導入

春学期と秋学期を各々二分する4学期制を導入。
学生が留学など自主的な学びに活用できる期間を設定。

2021

医学部との共同運営講座「病院薬剤学講座」開設

高度先進医療で重要な役割を果たすとともに、先進的かつ指導的な能力をもつ薬剤師研究者(Pharmacist Scientist)育成を目指す

慶應義塾大学病院外観

共立薬科大学 と 慶應義塾
縁 と 

2008年に合併した共立薬科大学と慶應義塾には
古くからゆかりがありました。

地縁

共立薬科大学芝校舎(現在の芝共立キャンパス)は慶應義塾大学三田キャンパスから約2.3㎞、徒歩で約20 分程度のところに位置していました。
また、芝共立キャンパスからわずか200mの地には、北里柴三郎が初代所長を務めた伝染病研究所がありました(1892年設立)。この地は、かつては慶應義塾創始者・福澤諭吉の所有地でした。ドイツ留学から帰国した北里柴三郎のために、福澤が土地を提供して、研究所設立を援助しました。
2人の親交はこの時から始まり、北里は後に、慶應義塾大学医学部初代学部長・慶應義塾大学病院初代病院長を務めました。

福澤 諭吉
福澤 諭吉*
北里 柴三郎
北里 柴三郎*

*写真提供:慶應義塾福澤研究センター

知縁

共立薬科大学の創立者は、慶應義塾大学経済学部を卒業した小島昇です。また、慶應義塾の元塾長である鎌田栄吉が、共立女子薬学専門学校(当時)の顧問を務め、学校の基礎を築くことに協力しました。

第3回入学式における鎌田顧問の訓話
(1933年)