ラオス国のヘルスケア領域の課題、ヘルスケア政策、人々の生活と文化への理解を深め、持続可能性のある国際援助の方策や、効果的な保健医療チーム・アプローチについて考察することを目的とする。
医学、看護学、薬学という異なる分野の視点から、医療の現場で役立つ「統合的に物事をとらえる力」を育む。
ラオス国をフィールドにJICA、WHO等の保健医療支援活動や現地医療機関等の見学を行い、加えて教育や環境領域のNGOの活動にも触れ、包括的なプライマリヘルスケア支援活動の実際を学ぶ。また、農村では、住民と共に2日間を過ごし、その生活や習慣・文化を通して健康課題について考えるフィールドワークを行う。さらに、ラオス保健科学大学等の医療系学生と交流し、医療系人材の開発についても学ぶ。
医療系三学部の学生たちが、学年や専門分野を越えて、議論を重ね、現地で課題に取り組む中で、チームで学びあい活動することによって生み出される成果を実感していく。チーム医療の重要性がうたわれる今日の医療現場に欠かせない力を養成する。
医学部の全学年、看護医療学部の1~3年生、薬学部の全学年を対象とし、合計21名程度を募集する。講義およびラオス研修の全日程に参加できることが条件となる。
事前活動として、まず必読資料や参考資料を読み、ラオスへの理解を深める文献学習がある。次いで、信濃町キャンパスでの事前講義「ラオス・プライマリヘルスケア活動講座」(集中講義)にて、ディスカッションやグループワーク形式で、国際医療活動に必要な諸理論とアセスメント等の手法、ラオスの保健医療の基礎を学ぶ。集中講義では、農村部でのフィールドワークや県病院での臨床実習に備え、フィールド調査法、バイタルサイン測定、栄養アセスメント等の演習も実施する。また、小学校での保健教育実践計画の作成や保健教材作り、ラオス保健科学大学とのディスカッション準備を行う。
ラオス・スタディツアーでは、ラオスにあるJICAやWHO、UNICEF等諸機関の事務所を訪れ、講義を受講する、JICAの活動に同行してのコミュニティにおける住民参加型のヘルスケア活動の学習をはじめとして、現地医療系学生との交流、農村部でのホームステイ・フィールドワーク、小学校での保健教育実施等を行う。
帰国後は、三学部での成果発表会が開催される。他に研修報告書の提出や、オープンキャンパス等での発表、学会発表が予定されている。
事前講義等の諸経費、ラオス渡航費・研修費等約27万円。この他に予防接種の料金が必要となる。ラオス人民民主共和国でフィールドワークおよび実習を行うにあたり、熱帯感染症等の予防のため、三種(A型肝炎・破傷風・狂犬病)等の予防接種を受けることを義務付けている。
本プロジェクト参加者には、総合医学教育奨励基金より、学習支援費として8万円が補助される予定である。
「プライマリヘルスケアと国際保健Ⅱ(海外研修)」(秋学期2単位)の自由選択科目である。
提出書類に基づき、運営委員会で選考を行う。