医薬品の薬効評価と副作用解析に基づいた新たな薬物療法の構築

薬効解析学講座では、医薬品の効果および副作用、いわゆる薬効を解析することにより、新たな薬物療法の確立を目指して研究を行っています。 医薬品の効果を最大限発揮し、副作用を出来る限り回避するために、薬効に影響を与える要因を解析し、患者個々に最適な薬剤選択ならびに投与法を明らかにしています。また、医薬品の新作用を見出したり、新たな剤形を開発したりすることにより新たな治療法を確立しています。さらに、医療現場における様々な問題点(薬物間相互作用など)を抽出し、臨床研究や基礎研究を展開することにより、医療現場で役立つエビデンスを構築しています。 本講座は研究を通して、医療現場に真に貢献し得る臨床薬剤師、ならびに、医療現場のニーズに合った医薬品開発ができる研究者の育成を目指しています。

図 ボリコナゾールの有効血中濃度域の解明
トラフ濃度が4、5 µg/mLのとき、それぞれ21.6%、52.7%の確率で肝機能障害が発現することが示された。
図 Acinetobacter baumannii マウス大腿部感染モデルを用いたスルバクタムの有効性評価
PK/PD解析から、スルバクタムはtime above MICと最も相関し、fT>MICが60%以上になるように投与設計することで、殺菌効果が得られることが示唆された。