2024年度

2024年8月18日~8月24日

伊藤 匡希(薬学部薬学科3年*当時)

Thai Pharmacy Educationを通して、タイの医療制度や教育制度を学び、そしてタイの方々のホスピタリティに心を揺さぶられました。当時は海外経験がなく、自分の英語力にも自信がなかったため、心配の気持ちが強かったですが、充実した7日間を過ごすことができました。

まず、タイの医療制度について、日本と大きく異なる保険制度や、公立病院と私立病院の二種類の病院が異なる特徴を有していることが印象的でした。しかし、患者中心の医療という観点はいずれの国においても共通しており、セルフメディケーションも積極的に推奨されていました。

また、教育制度に関して、学生の主体性を重視する形態が日本と比べて進んでいると感じました。特に、多くの授業が英語で行われていることから、日本の英語教育が遅れていることを再認識すると同時に、自身の英語力を見直す機会となりました。

タイの文化もテレビで見るよりも新鮮で、特にWat Nong Wangという寺院は、伝統的なタイの建築様式を反映しており、彫刻や装飾が精緻で印象的でした。5日間を通してとりわけ印象に残っていることは、タイの方々のホスピタリティです。コンケン大学の学生さんが車でさまざまな場所へ同行してくれたり、ホテルや空港までお見送りしてくれたり、farewell partyにて誕生日のサプライズがあったりと、数えきれないほど温かい体験がありました。

このプログラムは、将来海外で活躍したいと考えている方はもちろん、そうでない方も参加する価値があります。選考の段階で英語力は問われませんが、実習を充実させるためにはかなりの英語力が必要であると感じました。現地で特に重要な能力はリスニングであり、専門用語も多く飛び交うため、内容が理解できないと質問もしにくくなります。参加希望されている方は、早い段階で演習しておくことをお勧めします。

最後に、"Fortune favors the bold" (直訳:幸運は勇敢な者を好む)という成句を紹介します。これは「勇気を持って行動する人に幸運が訪れる」という意味です。私は5日間で、「さっき質問しておけば良かったな」や「学生さんともっと話したかったな」といった後悔が少し残っています。ですので、ぜひ参加希望の方は英語を話すことをためらわず、積極的に参加していただきたいと思います!

プログラムを企画された先生方とタイの皆さん、ありがとうございました!

伊藤 匡希01

伊藤 匡希02

2024年8月18日~8月24日

白石 紗也(薬学部薬科学科3年*当時)

今年度、Thai Pharmacy Experienceの研修に参加させていただきました。本研修を通して、日本とタイの医療制度や薬学教育について深く考えたり、タイの学生の皆さんと仲良くなってタイの観光地に連れて行ってもらったり、と様々な経験をすることができました。この研修の実施にあたりご尽力くださった全ての方々に心から感謝申し上げます。

私は薬科学科の所属ということもあり、この研修に参加するまでタイの医療制度はおろか日本国内の薬剤師や医療関係者の仕事についてもあまり興味を持って調べたことがありませんでしたが、事前学習と現地での学習を通して、両国の医療制度の違いを知ることができました。私が実際に現地の医療施設を訪れて特に驚いた点は、薬剤師が日本よりもはるかに重要視されていたことです。日本では薬剤師は主に調剤薬局やドラッグストア、病院などで働いていますが、タイにはcommunity pharmacyという施設があります。これは、病院の過度な混雑を避けるために作られた地域薬局で、医師の出す処方箋がなくても薬剤師が薬を患者に渡すことができます。また、妊婦のための葉酸サプリメントを無料で配布していたり喫煙者が禁煙するためにサポートしたりと、地域住民の健康のために薬剤師が働いていました。さらに、現地では実際に処方箋を受け取った病院附属薬局の薬剤師が調剤をして患者に薬を渡すまでの様子や治験専用フロアなども見学することができました。実際にその場所でお仕事をされている方々からお話を伺うことで、薬剤師のみならず医療関係者の仕事の責任の重さを改めて感じ、身の引き締まる思いでした。

また、今回の研修ではコンケン大学の学生の皆さんとたくさん交流することができました。試験期間中にも関わらず、本場のナイトマーケットや現地で人気のある焼肉屋、寺社や若者に人気の通りなど様々な場所に連れて行ってくださったので、コンケンの魅力を余すことなく感じることができました。また、最終日の夜にはお互いに自国の名産品などをお土産として持ち寄ったりタイの伝統的な音楽の生演奏を聴いたりと、思い出に残る時間を過ごすことができました。帰国後も現地で出会った皆さんのSNSなどを見るたびに、同じ薬学部の学生として勉強に励んでいる友達がたくさんいることを感じ、勇気づけられています。

タイで過ごした時間は約1週間と短かったものの、事前学習を含めた学習や現地の方々との交流などを通して非常に多くの経験をすることができました。これまで海外留学などの経験のなかった私にとって、英語で何時間もの講義を受けること自体が初めての経験でしたが、周りの方のサポートもあり多くのことを主体的に学び、考えることができました。最後になりましたが、このような貴重な機会をいただけたことに心から感謝申し上げます。

須藤 美咲01

須藤 美咲02

2023年度

2023年8月20日~8月26日

片岡 優月(薬学部薬学科3年*当時)

この度Thai Pharmacy Experience に参加させていただきました。この経験を通してタイの教育制度や医療制度を学ぶことができました。

コンケン大学の教育制度では実習の時間が日本の2倍以上長く、本格的な製剤室が存在しており実践的な教育が進んでいるのだと感じました。またスリナガリンド病院で院内製剤を作製している様子を実際に見たり、治験センターを見学に行ったりすることができました。タイでは代表的な16の疾患には無償で対応することや、私立病院のバンコク病院では薬を調剤する前にお金を先に支払うなど医療制度の違いについても学べました。
このようにタイの薬剤師の業務を間近に見たり医療制度を学んだりすることで、反対に日本の薬剤師の業務や医療制度への関心もより一層高まりました。
またナイトマーケットに行ったり、寺院に行ったりタイの文化を体験することもでき、沢山の学びを得ることができました。

特に印象に残ったのは、タイの方々のバイタリティとホスピタリティです。ちょうど訪問した際はテスト期間中にも関わらず温かく歓迎してくれて、日本に帰る際はわざわざ空港までお見送りに来てくれ感動しました。また初対面の人にも自ら話しかけ盛り上げ、話しかけてくれてとても積極的だと感じました。その姿勢に刺激を受け、病院の薬剤師や施設の職員の方に自ら積極的に話しかけにいき気になったことを質問しました。おかげで多くの情報を得られたり、多くの体験ができたり楽しく会話をすることが出来ました。
また同じ薬学という学問を志している人と国を越えて会話ができた貴重な経験だったと感じています。少しでも興味がある方にはぜひお勧めしたいプログラムです。

このような機会を作り参加させて頂いたことに心から感謝申し上げます。

片岡 優月01

片岡 優月02

2023年8月20日~8月26日

須藤 美咲(薬学部薬科学科3年*当時)

本研修において、タイにおける薬局の裏側や、医療活動、教育制度を学ぶことができました。加えて、独自の文化にも触れることができ、現地の方と交流し、多くのことを経験・学習することができました。このような研修に参加できたこと、感謝申し上げます。

私は海外に行った経験が少なく、海外に行ってみたいと思ったこと、また今学習している薬学を通して海外の方と交流できることを魅力に感じ、こちらのプログラムに参加させていただきました。私は薬科学科所属のため、医療制度について知らないことも多くありました。しかしながら、事前学習を通して、タイの薬学教育が熱心であること、タイにおける薬剤師の役割が大きいことを学びました。実際に現地に行くと、英語を通して現地の方が優しく多くのことを教えてくださいました。

特に印象に残ったのは、実際に病院の薬局に訪れて現場を見たことです。日本の薬局にも行った経験がなかったため、たくさんの学びがありました。例えば、多くの患者さんに間違いのないように薬を届けるシステムが確立されていることを実感できたことです。一方で、タイには公立と私立の2種類の病院があり、その違いを感じ取ることができたのもいい学びとなりました。また、タイの伝統医療の根強さも実感することができました。病院においてタイの伝統医療による治療が行われていたこと、多くの患者さんが利用していたことが日本にはない光景で新鮮でした。色々な現場を見ることで、タイの医療活動の実態や薬学の役割とは日本と異なっていることを実感しました。実践的な教育が多いタイのカリキュラムも魅力的に感じ、日本の薬学教育も柔軟に対応していくのが良いのではないかと感じました。

タイの文化に対しても大きな刺激を受けました。多くの場所に訪問させていただきましたが、どこにおいてもおもてなしのお菓子などが用意されていたり、先生方は、質問しても気さくに、優しく答えてくださったりと、タイ人のホスピタリティを実際に肌で感じることができました。

実際に現地に行くことでしか感じられない、タイの文化やタイの方との交流を、薬学を通じてできたことは本研修の魅力だと感じます。また、同じように薬学を学んでいる人と国境を越えてつながることができたことは貴重な体験でした。

須藤 美咲01

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2018年度

2018年8月19日~8月25日

福井 一玄(薬学部薬学科2年*当時)

本研修を振り返り、事前学習を通してタイの医療・教育制度を軸に視点を広げることができました。また、現地では様々な施設の見学、先駆的な先生方や現地学生との交流があり、短い期間で多くの経験と学びを得ました。このような研修に参加できたことに感謝申し上げます。

諸制度を学ぶ機会は大学授業にて多くありますが、タイの薬学教育は世界的にも大変進んでいると伺ったので、研修を通して実際を知りたいと思っていました。特に印象に残っていることは、病院でインターンをする学生から、患者ケアに対する考え方や、実践しながら適切な治療を学ぶことの大切さを伺ったことです。国ごとに制度の違いはあっても、薬剤師の価値観や目標は各国で共通点があることを実感できました。一方、タイでは九州大学の学生と研修を共にする機会も得ましたが、日本国内でも薬学教育について様々な違いがあると意識することもできました。

研修中にタイの薬剤師国家試験の委員長をなさっている先生との夕食会もあり、日本の薬剤師の働き方やタイの医薬分業の今後など様々なお話を直接伺い、海外からの日本の薬剤師の見え方を知ると同時に、これから超高齢化社会や老々介護などの問題が大きくなる中で、患者に対してどのように向き合っていきたいか考えることができました。タイの様々な施設を見る中で、医療施設が身近でない環境では、セルフメディケーションにおける薬が、人々の生活に欠かせず、希望をもたらすことを実感しました。本研修等を通して、卒業研究では薬を直接患者さんに届ける出口をより勉強したいと思い、今は医療薬学・社会連携センター医療薬学部門で、アプリを用いた効果的な薬物治療を研究しています。

渡航前には訪日したコンケン大学薬学生との交流機会があり、現地の学生の雰囲気が分かってから渡航できるので、安心して参加できることも特色だと思います。学生の間に他国の医療現場を直接見られる良い機会はあまり無いため、薬学を学ぶ上で貴重な経験を得られたと感じています。

福井 一玄01

福井 一玄02

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