新薬で救われる人を少しでも多く。
その思いは、これからも変わりません。

前職の製薬会社では臨床開発として画期的な新薬に関わることができ、
転職後の現在は「適切な医療への案内役」として事業開発に取り組んでいます。
仕事の内容は変わっても、大学の病院実習を通じて抱いた
「新薬で救われる人を少しでも多く増やしたい」という思いは変わりません。
今は、子育てと仕事の両立の真っ最中ですが、
育児休職後も、健康づくりに大きな変革をもたらす事業に関わっていたいです。

2013年 薬学部薬学科卒業 Ubie株式会社 勤務

永見 早耶花(ナガミ サヤカ)

(2023年2月時点)

永見 早耶花(ナガミ サヤカ)

Ubie株式会社内にて

良い薬を創っても、届いてほしい患者様になかなか届かない。
この課題を解決するために「適切な医療への案内役」へ転職。

私は現在、ヘルステック・スタートアップのUbie(ユビー)株式会社で事業開発を担当しています。Ubieでは主に、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」を提供しています。
「ユビー」は一般生活者・患者の皆様に向けたサービスで、医師が監修した質問に答えるだけで、気になる症状から病気や対処法、受診可能な医療機関を無料で調べられるというもの。「ユビーメディカルナビ」にはAIが患者様ごとに最適な質問を自動で生成し、聴取した結果を医師に簡潔に伝える「ユビーAI問診」や、認知向上をサポートする「ユビーリンク」というサービスがあります。私は、これらのサービスを用いたさまざまな事業展開を製薬会社と一緒に進めているところです。
私自身、前職は製薬会社の臨床開発であり、製薬業界が抱えている課題に直面してきました。その課題の中でも最も深刻なのが「良い薬を創っても、届いてほしい患者様になかなか届かない」こと。Ubieへの転職は、この難しい課題を解決するためでした。Ubieは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションとして掲げています。2つのサービスによって、患者様と医師とのマッチング、あるいは治療法とのマッチングを促していくことが、健やかに幸せな日々を過ごせる人を増やすことにつながると考えています。

国立がん研究センターでの実習で知った、現代医療の課題。
大学時代の「新薬で救われる人を増やしたい」思いは今も変わらない。

私が製薬業界から社会への貢献を志す動機を形作ったのは、やはり薬学部薬学科の6年間の学びです。特に深く影響を受けたのは、国内アドバンスト実習コースにおける国立がん研究センターでの経験でした。机上の学びでは知り得ない医療の課題を目の当たりにし、最先端医療をもってしても救えない命がある事実を実際に見てきました。
そんな状況で、もし自分が医療現場にいたとしたら、はたして命を救うことはできるのだろうか。かなり時間をかけて考え続けて、ようやく辿り着いた答えは「現在の医療の限界を変えて、少しでも多くの命を救うためのチャレンジがしたい」 というものでした。
国立がん研究センターでは、助からなかったケースとは逆に、劇的な効果を持つ新薬によって助かった例もありました。画期的な新薬が人々に与える喜びは本当に大きいと知り、そういう薬をたくさん世に送り出すことで、少しでも救われる人が増えれば良いという思いで、卒業後、製薬会社に就職しました。その製薬会社では幸運にも、血友病の新薬の開発に携わることができ、その画期的な新薬が開発に関わった先生方や患者さんから激賞されるという体験もしました。新薬は、ドラスティックな変化を起こすことができるんだと改めて実感しました。
大学時代に抱いた「新薬によって救われる人を少しでも増やしたい」という思いは、転職した今も変わりません。せっかくの良薬を患者様へ適切に届けることが、今の私の務めです。

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前職にて。臨床試験の結果をグローバルアドバイザリーボードにて報告。

薬にまつわる業界は、子育てと仕事を両立しやすいと実感。
今後は、健康づくりに大きな変革をもたらす事業に関わっていたい。

じつは今、育児休職の最中で1年ほど職場を離れているのですが、薬にまつわる業界は比較的、子育てと仕事の両立がしやすいと実感しています。私が所属した経験がある製薬やヘルステック業界では、 在宅ワークが業界に浸透していて、リモート会議など自宅でもいろいろな仕事ができます。
薬剤師として働いている友人もたくさんいますが、例えば時短勤務の申請も通りやすいのだそうです。薬学部は女性が多い学部ですが、その就職先で、子育てと仕事の両立ができているという声が多く聴こえてくるのは心強いと思います。
育休の後も仕事は続けていきたいというのが、私の今後の展望です。Ubieでの仕事はまだ志半ばですから、もちろん続けていきたいですね。さらにその後のキャリアについては描ききれていませんが、いずれにしても何かしら人々の健康づくりに大きな変革をもたらすような事業に関われる自分でありたいと思っています。

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子供と一緒に。仕事との両立を目指します!

大学での幅広い学びや多くの体験が、将来の可能性を広げていく。
自分自身が楽しみながら、人々の健康に役立つ仕事に取り組みたい。

私は大学在学中、いろいろな体験をすることができました。現在の仕事にも活きている病院実習や研究活動だけでなく、遊びの部分でも充実していたと思います。研究室で共に学んだ人たちとは今でも仲良しで、近況を話し合ったりもしています。一生付き合っていけるような友人を得ることも、大学時代の醍醐味です。
慶應薬学部の学生たちは、幅広い学びを経験するからこそ、多様な進路を見つけているのだと思います。私の友人には広告業界へ行き、疾患啓発に取り組んだ人もいますが、このように薬学には直接関係ない分野から人々の健康づくりに貢献する方法だってたくさんあります。
今や日本は長寿大国と呼ばれ、国民の寿命が延び、健康で過ごせる期間も長くなっていますが、そこに至るまでには医学や薬学の大きな貢献がありました。そういう学問を志し、専門性を身につけて、多くの人の健康に役立つ仕事に携わることには、大きなやりがいがあります。私自身は今も「人の役に立つ」ことを実感しながら仕事をしています。後輩のみなさんにも人々の健康への貢献を楽しんでやっていただけたらと思います。

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学生時代、たくさんダイビングに行きました。