免疫って奥深い。その驚きを、
新たな治療法を見つける力に。

アレルギーで大変な思いをしている妹を見ていて、
自分が薬をつくる過程に携われば、助けることができるかもしれない。
その思いがやがて、慶應薬学部への縁となり、
現在は、病態生理学講座で免疫の観点から新たながん治療法の開発に取り組んでいます。
一方で、小さい頃から音楽に親しみ、小学生の時はピアノを習い、
中学生では吹奏楽、高校では合唱と音楽系の部活動に励んで、
大学では軽音サークルに入り、ヴォーカルとしてステージに立っています。
ここには自分を磨ける環境がありますし、そのための機会もたくさんあると思います。

薬学部 薬科学科 3年

川嶋 菜々(カワシマ ナナ)

(2024年3月現在)

川嶋 菜々(カワシマ ナナ)

薬ができていく過程に、私も携わってみたい。
その願いを叶えるために、慶應薬学部の薬科学科を選択。

小学生から中学生にかけて、既に将来は医療関係の仕事がしたいと考えていました。その理由のひとつが、アレルギーで大変な思いをしていた妹を見て、症状を改善できるような職業に就きたいと思ったからです。高校時代には、医療の中でも薬に興味を持ち始め、薬ができていく過程に私が携わることができたら、と考えるようになりました。その流れで、大学受験は薬学部を志望しました。
薬科学科を選択したのは、「薬ができていく過程」に私が関わることが目標なので、薬剤師資格の取得よりも、研究に特化した学科に進みたいと考えたためです。

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ピアノ、吹奏楽、合唱とずっと続いてきた音楽の楽しみ。
今は、軽音サークルでヴォーカルとキーボードを担当。

医療や製薬への興味とともに、私が小さい頃からずっと持ち続けていたのが、音楽の楽しみです。小学3年生からピアノを習っていて、中学校では吹奏楽部に入り、高校では合唱部で活動していました。 歌はもともと好きだったのですが、好きが高じて今、薬学部軽音部に所属しています。ヴォーカルを担当し、時々キーボードも弾いています。人前に出て歌う機会は、ライブハウスで2〜3ヶ月に1度くらいですね。小さい頃はピアノの発表会があり、中学・高校でも文化祭やコンクールを経験しているので、音楽に関しては舞台度胸が人よりはあるのかもしれません。それでも、最初のライブは緊張しました。最近は楽しんで歌えるようになってきたのが、うれしいです。
音楽はずっと好きですが、仕事にしようと思ったことはありません。あくまで趣味として、続けていけたらと思います。それよりも、やっぱり医療系の仕事について、人の役に立ちたい、人を救うお手伝いがしたいという思いの方が大きいです。

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軽音部のライブにて

また、全学部共通の学生団体に所属する薬学部生も多数います。

自分たちの身体の中には、こんなに複雑なメカニズムがあるんだ。
印象深かった免疫学の授業が、その後の講座(研究室)選びにつながって。

入学してすぐの頃はコロナ禍で、授業はオンライン中心でした。ただ、そのような環境でも友だちができ、友だちのおかげで、1年生の時から充実した日々が過ごせました。
授業で印象深かったのは、免疫学でした。自分たちの身体の中には、こんなメカニズムがあるんだ...単純に思える作用にもいろいろな要素が複雑に、緻密に関連し合っているんだ...と、どんどん興味が深まって。難しくはありましたが、学んでいくほど、おもしろいと思いました。この時の新鮮な驚きが、3年生の秋から所属する講座(研究室)選びにつながっていきました。
アルバイトも学生生活の良い経験になると思い、塾と飲食店で働いています。塾の講師は入学後すぐに始めたので、もう3年になります。飲食店は2年生になってから始めて、最初は運ぶだけ、今はサンドイッチなどの軽食を作ったり、コーヒーを淹れたりしています。徐々に調理にも慣れてきて、スタッフの皆さんと楽しく働いています。

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医療の学びを深めるにつれ、がんに特化した研究を志す気持ちが芽生える。
免疫の観点から新たながん治療法を探索する病態生理学講座を選択。

薬をつくる過程に関わりたい、という思いは、妹のアレルギーがきっかけで生まれましたが、その後、医療のことや病気のことを学ぶにつれ、がんこそが人類を最も苦しめている敵ではないかと思うようになりました。また、私の祖母もがんに罹り苦しんでいたこともあり、講座(研究室)を選ぶ段階で、がんに特化した研究ができるところにしようと決めていました。
病態生理学講座を選んだのは、がんを免疫の観点からアプローチしているところに魅力を感じたからです。私は免疫学の授業で免疫の奥深さにふれていたので、免疫を基盤とした研究はきっとおもしろいだろうと考えました。
現在は、がん細胞に現れるKU-MEL-9というタンパク質に着目して、前立腺がんの新規治療法につながるような研究を行っています。具体的には、KU-MEL-9を標的とするT細胞受容体(TCR)遺伝子をT細胞に入れたTCR-T細胞をつくり、前立腺がん細胞に対する反応性を確認しています。TCR-T細胞は、私たちの講座が独自に開発を進めている細胞療法の要となる存在で、患者さんの免疫を強化する働きがあります。

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授業に誠実に向き合い、志が高い学生が多い慶應薬学部は
自分を磨くことのできる環境、きっとやりたいことが見つかるはず。

慶應薬学部に入学して実感したのは、授業との向き合い方が誠実な人が多いということです。授業前の準備をしっかりしていますし、テスト対策も万全。私もその影響を受けて、自分なりの勉強のスタイルをちゃんと確立しなければと気を引き締めるようになりました。志を高く持っている人たちに囲まれることで、自分を磨くことができると思います。慶應薬学部にはそんな自分磨きの環境があり、自分のやりたいことを見つけることもできるはずです。入学して後悔しない学びの場だと思います。